入院した当日は平日の金曜日だったので、土日の病棟はなんだか静かだった。
入院当日は慌ただしくてあっという間だったけど、身の回りが落ち着くと、ふと夫と離れ離れになってしまった寂しさがこみ上げてきたりしたものだ。
切迫早産入院2〜3日目の出来事や思ったことなどを、つらつらと。
点滴アラームの洗礼
入院初夜は、夜通し点滴アラームの洗礼を受けてロクに眠れなかった。
なぜ、24時間点滴の開始にあたって、助産師さんからこのアラームの説明を先に教えてくれなかったのか不思議でならない……。
21時の消灯後、慣れない環境ながらもやっとウトウトし始めた頃、突然「ピロリンピロリン♪」と大きなアラーム音が鳴り響いた。え?何ごと?誰かの緊急事態??
私の病室は4人部屋だったが、カーテンで区切られているので、同室の人々の様子は見えない。そして、こんなアラーム音が鳴っているにも関わらず、焦ってモゾモゾ動く人の気配も感じられない。
まさか私じゃないよね?と、暗闇の中見渡すと、私のカーテン内でライトが点滅している。アラーム音の出どころは、どうやら私の腕から繋がっている点滴の機械らしい。
やばい、何やら私の緊急事態かもしれない。
パニックになりつつ、急いでナースコールを鳴らすと、すぐに助産師さんが駆けつけてくれた。
助産師さんは慣れた手つきで点滴のアラームを切り、私の点滴針の入った腕をチェックして「(点滴薬が)漏れたりしていないですか〜?」と確認。腕には異変はない旨を伝えると「それなら大丈夫そうですね」といった感じで去っていく。
今のは何だったんだろうと思いつつも、異常がなかったことに安心してまた眠りについた。確か23時頃だった。
ところが慣れない入院環境、慣れない病院の寝具(マットレス硬い)ということで、夜中の2時頃に目が覚めてしまったのでトイレへ。その後、目が冴えてしまったので寝転びながらスマホをだらだら眺めていた。
すると、また2度目のアラーム音が鳴り響く。
急いでナースコールを押して、助産師さんにチェックしてもらうが異常なし。助産師さん曰く、「腕を上にあげたままにすると、点滴薬の流れが悪くなって鳴ることがあるので、もしかすると原因はそれかもしれないですね〜。」と。
まさに、私仰向けで両手を上に上げてスマホ見てましたよ……。
それが「点滴あるある」なら、最初から教えておいて欲しかった。泣
同室の方々へもアラーム音で起こしてしまっているだろうことが申し訳なく、いたたまれない気持ちに。
もう絶対アラーム鳴らさない!!と、点滴のルートを圧迫してしまわないよう、腕を上げて逆流させたりしないよう、細心の注意を払いながら再度眠りについた。
それにも関わらず、また鳴るアラーム音……今度は朝の4時。
ナースコールで駆けつけた助産師さんがチェックしてくれたところ、今度は輸液ポンプ(点滴の機械本体)の充電が切れそうな警告アラーム音だったそうだ。
本体と充電ケーブルは繋がっていたが、どうやらプラグ接続部がゆるゆるの個体に当たってしまったようで、ちょっとした揺れで接続が切れるようだ。(助産師さんから説明はなかったが、後に自分で学習した)
充電ケーブルを外す時は「ティロリン♪」と音が鳴るので、何もしていないのにその音が鳴ったら要注意。充電ケーブルとの接続部をチェックして、接続不良を直すように心がけるようにした。(輸液ポンプを交換してもらうのが一番いいのだろうが、遠慮してしまって言わなかった)
そんなわけで、入院初夜は、計3回の点滴アラームの洗礼を受けて散々な目にあった。
いくら妊婦が頻尿になるとはいえ、私は元々朝方まで眠れるタイプだったので、完全なる寝不足に見舞われてしまった。まぁ、その分、昼間にずっと寝てたからいいんだけど。
これから初めて24時間点滴の治療を受ける人がいれば、ぜひアラームが鳴らないように気をつけていただき、少しでも良質な睡眠をとってもらいたい。
膣洗浄と膣剤
朝8時過ぎに朝食が運ばれてきて、その後すぐ診察担当の看護師さんから、朝の診察時間の連絡が入る。それが10分後だったりするので、朝食もそこそこに、まずは診察室へ向かった。
診察での処置内容は「膣洗浄」と「膣剤(確かフラジール錠)」。
膣洗浄は初めて受けたが、内診台に上がり足を広げ、クスコという器具で膣を広げて固定され、奥にジャバジャバと水を注がれるというものだった。注がれた水は当然、バシャバシャと下に垂れ流れるので、お尻付近はびしょ濡れ。突然だったので、最初はビックリした。
後にわかったのだが、切迫早産の原因が細菌感染の場合もあるので、おりもの検査の結果が出るまでは、とりあえず毎日膣洗浄&膣剤の処置をしておく(予防&治療)という目的だったそうだ。
クスコの入れ方は先生によって上手・下手があるのか、日によってイテテテテと顔を歪めてしまうこともあった。私の場合、細菌感染がなかったためこの処置は3日間で終了できたが、これが毎日続いたらかなり憂鬱になっていたと思う。
入院中のシャワー事情
私が入院していた病院では、軽度の切迫早産患者は、午前中のNSTの結果をみて、毎日シャワー可否を医者が判断するシステムだった。(絶対安静&移動は車椅子レベルの重症患者は別の扱いだと思う)
幸いにも、私は2日目以降は毎日シャワーOKと判断されたので、毎日シャワーを浴びることができた。
24時間張り止めの点滴をしているので、シャワー前にナースステーションに寄って、点滴を外してもらう。点滴針は刺さったままで、針側のルートをまとめて固定し防水シートで包んでもらい、しばし両手が自由な状態になるのだ。シャワー後は、またナースステーションに寄って、点滴を繋いでもらう流れだった。
入院中に起き上がるのは、食事、トイレ、診察、シャワー、洗濯(病棟にコインランドリー有)ぐらいで、それ以外はひたすら横になって安静に過ごしていたので、シャワーが唯一の運動と気分転換という位置づけだった。
入院当初は、安静にするためにシャワーを自粛した方が安全なのでは?と心配になり、助産師さんに尋ねてみた。
どうやら、浴びる・浴びないは一長一短らしく、浴びれば膣近辺を清潔に保てるので細菌感染リスクが減らせるが、その一方で浴びている間は安静状態ではなく体力も使うことになるとのこと。
それを聞いて、私は医師がOKと判断するならば、シャワーを浴びる方針を固めた。
大学病院の食事事情
「病院食はあまり美味しくない」とよく聞くので期待していなかったが、私は15日間と入院期間も短かったので、それなりに病院食を楽しむことができた。
何より、安静にして寝ているだけで、栄養バランスの考えられたご飯が朝昼晩運んでもらえて、食器洗いもしなくていいいなんて!!夫を家に残して、私だけこんなに楽させてもらっていいのだろうか〜とも思ったが、まぁ入院費は払うわけで。
まだ30wで、お子にはお腹の中に留まってゆっくりしてもらう必要があるので、今は安静にゆったり過ごすのが私の仕事なんだと自分に言い聞かせて、この入院環境に甘えてました。
2週間くらいで主要な献立を1周してしまうので、最後の数日間は飽きてしまい、外食のようなパンチの効いた味のおかずが恋しくて落ち込んだりもした。
ご参考までに、大学病院でのある日の食事献立(朝・昼・晩)をご紹介する。
朝食
- パン
- ボイルウィンナー
- 付合せ(スパニッシュミックス)
- レモン和え
- 牛乳
昼食
- 五穀米
- 清汁
- さわらの漬焼き
- 付合せ(オクラ)
- ピーナッツ和え
- 果物(ぶどう)
夕食
- 御飯
- 豚肉生姜焼き風
- おひたし
- 茄子のごま味噌かけ